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紅茶の本を読んでいるとよく出てくる話題が、ミルクティーに対するイギリス人のこだわりです。 イギリスでは、(おそらく100年以上も前から)ミルクティーを淹れるときに、ミルクを先に入れるべきだ、いやいやまずは紅茶が先だと熱い議論が戦わされてきたそうです。 なんでもミルクが先の人をMIF(Milk In First)紅茶が先の人をMIA(Milk In After)と呼ぶとか‥‥。 ミルク先派の人々は、先に入れるとミルクの分量が分かりやすく、上から紅茶を注ぐので全体が混ざりやすいと言い、ミルク後派の人々は、後からの方がミルクの量の調節をしやすいと主張するそうです。 まぁ、これは結局、嗜好品の話なので「本人が良ければどっちでもいいじゃないか」という一言で終了させるのが「大人」なんですが、あえて大真面目にこういうテーマを議論するのが、「モンティ・パイソン」や「Mr.ビーン」を生んだイギリス人のユーモアなんでしょう。
この話を聞いたときは「へー、そうなんだぁ」と思ったきり、それ以上深く考えることもなかったのですが、良質のミルクを入手したのをきっかけに、この一週間くらいミルクティーばかり飲んでいるうちに、この話題を思い出しました。 自分が淹れるようになってのまず第一の発見は、日頃、ミルクティーを淹れるようになると、ミルクと紅茶のどちらを先に入れるか、自然とパターンが生まれるということ。 つまり「どっちが先でも結果に大した差はない」と思っていても、毎日淹れていたら、無意識のうちにでも必ずどちらかを先に入れるか「決まり」が生まれるはずです。 これが、紅茶にはほぼ必ずミルクを入れる「紅茶大国」イギリスだったら、こういうテーマの議論が生まれるのは無理もない話ではないか、と思いました。 これが日本での話になると、裏・表の偉い家の人たちが「これが正しい淹れ方です!」と明確に規定して、国民的な議論にはならないんでしょう。 それで僕の立場なんですが、ミルクを先に入れた方が、後から紅茶を注ぐことによって全体にミルクがよく混ざるので、より合理的であるという結論に至りました。今では立派なMIF野郎です。 え? それなら後からスプーンでかき混ぜれば同じじゃないか、それはブショウ者の考え方ですって? それも一理ありますね‥‥。うーん。
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