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以前、このコラムで『カルカッタのチャイ屋さん』という本を紹介したせいか、この頃よく、カルカッタで毎日通った、道端のチャイ屋のことを思い出します。 僕が、ダージリンの茶園を訪問したのは今年の5月のことで、その行き帰りにカルカッタに滞在しました。 なんだかんだと2週間くらい居ました。その間、毎日情報収集で街を歩き回り、疲れた折には必ず通りにあるチャイ屋の長椅子に座って、一杯二ルピーのチャイを飲んだものです。 朝、起きたら宿の近くにあるチャイ屋兼トースト屋で、バター付きトーストを2枚とチャイを注文します。(トーストは炭火の七輪で焼くのです。) その後、また違うチャイ屋で昼前と夕方、夜と一日に4,5回はチャイを飲みます。 短期の旅行者とはいえ、2週間も通っているとチャイ屋の人たちとも顔なじみになり、片言の英語で簡単な世間話もします。 彼らは、貧しくて学校にいけないので、ベンガル語の読み書きもできないのですが、毎日外国の旅行者と接しているので、多少英語が話せます。 中にはかなり達者な関西弁を話す露天商もいるほどです。 チャイ屋では、必ずと言っていいほど、少年が働いています。客が来たらチャイを出し、飲み終わったグラスをバケツで洗います。 そのバケツの水は、かなり透明度が低いので、ちょっとヤバイです。何とかして欲しいところです。
その少年たちは、朝は7時頃から、夜は10時くらいまで、エンエンとチャイを作り続けます。 聞くところによると、夜は店を畳んでベンチの上で寝るとのことなので、24時間ほとんど通りから外に出ることがないみたいでした。 こんなに長い間働いて健気だなぁ、でもまだ子供なのに‥‥と複雑な気持ちになります。 少年に「ワン、モア〜?(もう一杯いくぅ?)」と訊かれて、本当はもう十分なんだけど多少売上に貢献してあげようと「イエス」と答えると、キレイな歯でニッコリ笑うのが嬉しかったですね。 調子に乗ると、4杯も5杯も飲まそうとするので、「コラァ、いい加減にせんかい!」と言ってやらねばなりませんが。 こういうときは、日本語でも意味が通じるのが不思議です。‥‥つづく |
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